泉佐野鶴原の地に開業して早や約30年が経過し、患者さんにより良い治療を提供できるよう
頑張ってまいりました。良き患者さん達に恵まれ、また支えられていることに感謝申し上げま す。
各地で開かれる研修会(講習会、学会etc)に参加し、いろんな分野の素晴らしい先生方に出
会い、教えを請い、自分なりに努力工夫し、やっと最近歯科医らしい仕事が出来るようになっ たかな、 と思っております。
では、「今までどういう仕事をしてきたんや」と、言われるかもしれませんが、その時その場の自
分の持っている最大限の知識、技術を駆使しながらやってまいりました。
医療技術というものは日進月歩です。
今、過去の自分の仕事を顧みて残念ながら反省する事もあります。
これは、その時代の先端技術を取り入れてきたということの 「証」 なので、何卒ご容赦くださ
い。
私の歯科学理念について
それでは現在、どういう考え方で治療しているかについて述べます。
●下顎全安定位 (上顎に対して下顎が、前後左右のブレが無く、どのような状態でも無理なく
安定している位置) を確定させる。
1、左右のバランス(左右の歯が均一に当たり、下顎に付着している左右の筋肉が均等に
働く状態) を確定させる。
2、咬合高径(各患者さんに合った咬み合わせの高さ) を確定させる。
3、歯牙誘導離開(下顎を前後左右に動かすとき、前歯、犬歯、側方歯が下顎を誘導し、
反対側 が離開する状態) を確定させる。 (ただし、総入れ歯は除く)
以上の項目は歯科医にとり当たり前のことで、必ず踏襲しなければならないのですが、
現実問題として、それらを満たされていない方が、悲しいかな多数おられます。
それらの項目が満たされない場合はどうなるのか?
入れ歯(義歯)がガタガタする、痛い。
ある歯だけが動いたり、噛むと痛い(歯周病の誘発)。
アゴの開閉時に音がしたり、痛みのため口を開けにくい(いわゆる顎関節症)。
肩こり、頭痛、目まいや耳鳴り、等 全身に変調をきたす(全身倦怠)。
精神的に不安定になる(いわゆる不定愁訴)、等。
このようなことを発症しやすくなります。
これらの項目のうち、1,2を改善するだけでも私としては患者さんが抱えている問題を少しで
も解決できるかと思っています。
すべての歯科治療(つめる、かぶせる、入れ歯をいれる、咬合調整、歯石除去etc)が予防に
もつながっています。治療することによって他の歯を悪くしない、咬み合わせを悪くしないよう に、日々努めています。
ただし、ごく少数ですが、前記の下顎全安定位がとれない患者さんの場合は多分 顎関節に
問題があり、義歯を作るにせよ、インプラント治療をするにせよ我々歯科医にとり難しいケース と言えます。
●インプラント治療に対する私の考え
最近、インプラント治療が持てはやされているが、上記 下顎全安定位 を理解できない医師
はインプラント治療・矯正治療をするべきではないと考えています。
そして、インプラント脱落後のことも、考えておかねばなりません。
これは矯正歯科に関しても言えることであって、「専門化」 ということが産んだ弊害かもしれま
せん。
私は今あえて、インプラント(人工歯根)は、しません。
少しでも患者さんの悩みを解消できるよう、シンプルで人に優しい治療
を目指しております。
以上、簡単ではございますが、奥野 堅造のごあいさつとさせていただきます。
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